SSブログ

日立製英国高速列車の亀裂、神戸製鋼データ改竄、そして日本軽金属JIS取り消し [日常の戯言]

Screenshot_20210604_090527.jpg

こういう記事、


「モノづくり日本危機」なんてステレオタイプで〆るけど。


そんな大それたことではなく、


あたりまえのことを


あたりまえに、


やらなかったからではないのか?


以下記事から引用と私のコメント。


亀裂の原因について日立レールは「われわれは応力腐食割れと考えている。まず材料、次の天候や空気、水などの環境、三番目に金属にかかるストレスが要因として関係しているとみている。疲労亀裂ではない」と説明する。”


こういう時、


材料の納入先(日立レール)は、


まず、材料を疑い、


「設計には問題ない。」という。


それに対し、材料メーカーは、


「材料には問題ない。規格を満たしている。設計に問題があるのでは?」という。(「設計に問題あるのでは?」は、禁句だが。)

 

材料の仕様書記載事項を満たしていると材料メーカーが主張しても、


”事故が起きた原因が不明”な材料をお客は使わない、買わない。


こういう事例は、JIS等の規格合金でよく起きる。

 

材料メーカーと納入先とのコミュニケーション不全がその原因。


材料メーカーは、「JIS合金なら、その規格満たせばいいじゃん。そうすれば、いろんな材料特性のデータもあるからそれをお客に出せばいい。」


納入先は、「JIS合金なら、当該製品でも実績あるし、そのデータで設計すればいい。」

 

でも、新製品や適用事例が少ない場合、


材料がどのように使用されるか?


求められる要求品質は何か?


製品設計に必要なデータは、あるか?

 

等について、材料メーカーと納入先は協議すべき。


記事中今回の亀裂の原因が、”応力腐食割れ”ならば、


当該製品における応力腐食割れを想定した材料評価をしたか。


JISに規定された方法で得られたデータだけ参照しただけか。


日立レールは亀裂が見つかった車両の製造場所について「最初は日本で製造された。それからイタリアでも製造された。最終的にイギリスで完成された」と説明する。800系の車両に使われているアルミ合金のほとんどはデータ改ざん問題で揺れた神戸製鋼所から納入されている。


データ改竄をした神戸製鋼からの納入材で、この亀裂が発生したなら、日立レールは、何を信じればいいのか? 


今回の亀裂事例についての神戸製鋼の主張を日立レールは信用するだろうか?


日立レールは亀裂の入ったボルスタが神戸製鋼所製かどうかについて回答を保留しているが、神戸製鋼所は筆者の問い合わせに「当社はアルミ押出材を日立のイギリス車両向けに納入している。日立の車両の問題が報道されていることは承知しているが、日立から当社への調査依頼などは現時点でない。調査要請などあれば真摯に対応する。品質事案の対象材については当時の納入先といずれも安全性を確認できている」と強調した。


上記の「安全性の確認」なんて、何をして両社で手打ちしたんでしょうね。


この安全性の確認した後で、今回の亀裂発生。


落とし前はどう付けるんでしょうかね?


さらに、神戸製鋼以外のアルミ材料メーカー、


例えば、先日JIS認定を取り消しされた日本軽金属も鉄道用のアルミ材料を製造販売している。


今頃、鉄道車両メーカーから問い合わせでお忙しいかもね。


こういう事案が発生すると、


材料メーカー各社は、自己点検作業を始めるけど、


「うちは大丈夫。」ではなく、


材料納入先とのコミュニケーション改善を図るべきだ。


多くの場合、材料メーカーの担当者のプレゼンは下手。


その分かりにくさについて、お客は文句は言わない。


言わないから、


材料メーカーは、「お客は理解した」と勘違い。


今回の鉄道車両の応力腐食割れ事例だって、


問題の本質は、「顧客とのコミュニケーション」。


そんなもんです。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース