ハゲタカ 北関東アルミ編 第四回 「日本の進むべき道」 [北関東アルミニウム工業]
中国系巨大ファウンド”赤いアルミ”による北関東アルミの買収を阻止すべく帰国したDr.Super-G(以下DRSG)。
赤いアルミを率いる王(ワン)は、
学会の講演会で北関東アルミの買収を正式表明する。
王の講演のタイトルは、
「中国のアルミニウム産業の現状と将来」。
赤いアルミは、事前にその内容をマスコミ各社にリーク。
中国CCTV、CNN、BBC、NHK、そしてサンテレビまで駆けつけた。
王は、北関東アルミを買収するその意義を説明した。
王の発言から・・・・
「北関東アルミをTOBにより買収する。」
「先日の某アルミ精錬会社の買収と本件をリンクさせ、シナジー効果により、自動車用アルミ材料の徹底したコストダウンを図る。自動車の軽量化による環境ビジネスだ。すでに、中国の自動車メーカーにビジネススキームを提案済みだ。」
「日本市場の閉鎖性を打破する。一顧客との取引仕様に縛られず、コストミニマムの仕様を提案していく。世界で勝負できるアルミ会社に変える。」
「日本人は、みんな同じことをやる。買収したら不採算部門を閉鎖する。選択と集中だ。」
「ビジネスとは、利益構造を創ること。金を儲けて何が悪い!日本人の甘えの構造をぶっ壊す!」
「日本のアルミ技術は、アメリカのコピーだ。それを中国がコピーして何が悪い。」
「JIS規格はアメリカの規格。私たちは中国規格CISを作る。」
「買収に成功したら、ボードメンバーの3/4は中国を含む外国籍。社内の公用語は、英語もしくは中国語。」
・・・・・・
会場には、アルミメーカー各社の幹部が出席していた。
場内は騒然。
中国CCTVは夕方のニュースで速報、
「日本を買い叩け!」、
韓国KBS-TVは、
「落日の日本」、
CNNは、
「Red fund invader to Japan」、
BBCは、
「Red Aluminum」
そして、サンテレビは、
「ニュースフラッシュ、北関東アルミって?」
と放送された。
北関東アルミの
社長 土田公麻呂、副社長の新田昭一の迷コンビは、パニック状態であった。
DRSGと会場にいた福田志郎は、
「結構、言いたいこといいますね。私だってそのくらいのこと知ってますよ。でもね・・・」
DRSG「そこだよ、この国の限界は。この講演が茶番だって、分からないのか?君は。」
福田「茶番? だって、これって買収の正式表明でしょ?」
DRSG「今、この時間も王の部下が裏で動いてるんだよ。本当の目的のために。それを王自身が知ってるかどうかだって、疑わしいもんだ。」
福田「じゃ、王さんは踊らされているだけ?」
DRSG「そう、北関東アルミなんかどうだっていいのかもよ。赤いアルミの真のボスは。そいつは、中国政府でもない第三勢力だ。」
福田「えっ・・・・、そうなんですか。じゃ、私たちどうすればいいのでしょう。」
DRSG「今、緒万君が内閣情報センターで赤いアルミの真の目的についてブリーフィングを受けているところだ。本件は、対テロ作戦と同じ行動計画に基づいて各国は動いている。お役所仕事だがね。」
その頃、常務の緒万は、赤いアルミの真の狙いは、科学特捜隊(SSP)のJET VTOL20XXに使用される特殊アルミ合金の技術情報だと知らされていた。
アルミ会社の買収劇に隠れた国際的陰謀。
なぜ、王がこの陰謀に巻き込まれたのか?
DRSGが北関東アルミを支援していることを知った赤いアルミは、突然王を殺そうとする。
危機が迫る王、それを察知したDRSG。
王を助けなければ・・・
同じ境遇で育った二人。
貧しいながらも、学び、夢を追い続けた二人。
傍流の仕事からスピンアウトした二人。
DRSGが、王を助けるために電話した先は・・・・
(北関東アルミはあなたの心の中にあります。)
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