ハゲタカ 北関東アルミ編 第三回 「赤いアルミ 王との再会」 [北関東アルミニウム工業]
中国系巨大ファンド”赤いアルミ”による北関東アルミの買収を阻止すべく帰国したDr.Super-G(以下DRSG)。
王が率いる中国系巨大ファンド”赤いアルミ”は、
中国系オーナーの超高層ビルに事務所を構えた。
買収阻止のためにDRSGに提供された事務所は、
その高層ビル近くの雑居ビル。
北関東アルミ専務 高田のケチは相変わらずであった。
事務所には、秘書の赤木公子が待っていた。
赤木「おそようございます。PCはこの中古を使ってください。昼食は、低カロリー弁当一個。そして、どこか行くときは、必ず私に連絡してください。以上は、昔と一緒ですね。 」
DRSG「どうも、すいませんね~。また、よろしくお願いしますわ。今晩、うなぎどう?」
赤木「うなぎ? それどころじゃないでしょ。 もう、隣のビルの王さんから会いたいと連絡ありました。今晩、新大久保の韓国料理ペーさんの店で”チムダック”を食べようと。」
DRSG「やっぱりな、そう来ると思ってたよ。一緒に来る?」
赤木「いいえ、行きません。明日、子供の授業参観なんで。」
DRSG「あっそ。じゃ、福田君を呼ぼうっと。。」
赤木「あ~、そうやってまた、若者を深みにはめるんだ。やめてくださいよ。若い福田さんをあんな中国系ファンドなんかに近づけないで!」
DRSG「いや、彼は将来、北関東アルミの役員になる男だ。今から、こういう世界を知っていたほうがいい。俺は、ずっと裏街道だからよくわかる。」
その晩、DRSGは、福田志郎と韓国料理屋で赤いアルミの王を待った。
王は、指定の時間に現れた。
王「おっ、久しぶり。元気か? 100切ったか?」
DRSG「あたりまえよ。でも、110」
福田「はじめまして、福田です。」
王「若いね~、私とDRSGが初めて会ったのも君くらいの歳だった。」
チムダック
三人はチムダックとビールを楽しみ、
買収の話はまったく出なかった。
福田「買収の話、しなくていいですか?」
DRSG「急ぎなさんな。ところで、来週の学会で王、君は講演するね。お題は、・・・?」
王「中国のアルミニウム産業の現状と将来」
DRSG「そこで、正式表明するんだろ。北関東アルミの買収を。TOBを仕掛けるのか?」
王「秘密ね。」
福田「私、今度の学会で発表するんですよ。でも、王さんの方が刺激的かも。経済誌やTVとかも来ちゃうんでしょ?」
DRSG「もう、それは王が手配済みだろ。中国CCTV、CNN、BBC、NHK、神戸のサンテレビまで来るだろうよ。」
日本の学界。
その閉鎖性と事なかれ主義。
重箱の隅を突っつく研究に時間を費やし、
オリジナリティーを生み出さない。
お手盛りの表彰・顕彰制度。
そんな状況に嫌気をさして、
DRSGの心は学会、いや学術業界から離れていった。
その学会の講演会で、
王は、日本の金属メーカー、北関東アルミの買収を正式表明する。
これは、赤いアルミの宣戦布告であった。
(北関東アルミは、あなたの心の中にあります)
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