SSブログ

8/15 Showちゃんへ伝えたいこと。 [日常の戯言]

Showちゃん


こないだ、


私がワセダに戻ると、


日本人学生と留学生が仲良く英語で話してた。


その日本人学生(女性)の英語も流暢。


こんな風景は、40年前のワセダにはなかった。


私は、そんな風に英語を話したくて、


専門の勉強なんかしないで、


授業中、英語の勉強ばかりしてた。


当時は、今のようにインターネットもなく、


リスニングのカセットテープを擦り切れるほど聴きいた。


私の師匠、


国弘正雄先生の英語の本を何回も音読した。


当時は、海外に行く費用も高く、


いろんな奨学金にトライした。


Showちゃん。


君は中学生の時、


交換学生としてドイツにホームスステイしたね。


そして、今、高校2年生。


大学は、国際関係の学部を志望している。


私が学生の頃には無かった学部。


そこで、


ワセダにもできた国際教養学部のHPを見た。



学部概要・特色をみて、


私の印象は、


「こんな人材を育てられるの? そもそも学部長、教員諸君は、そんな人材なのか?」


「なんか、勉強することたくさん。語学学校かよ。」


「日本語、英語、さらにもう一つの外国語を習得っていうけど、まず、日本語をちゃんとやれよ。」


「多角的な視野、見識、高い倫理観、競争力、人間性、地球市民などなど、それっぽいけど中身の無い言葉の羅列。」


「基礎的な教養を磨くとともに、多元的な視点、論理的思考を養うことに重点をおいたリベラルアーツ教育をするっていうけど、何それ? 高校生に分かるかよ!」


「教員諸君が、果たせなかったことを学生に課すのは、詐欺ではないのか?」


・・・・なんて思った。


Showちゃん


今、漠然と思い描いているだろう大学生活。


外国語を学んで海外に行ったり、


留学生と英語等で話して、


楽しい学生生活。


それは、素晴らしいこと。


私も同じだった。


ぜひ、実現してほしい。


でも、その先に、


君は何を目指すのか?


国際関係学部っていうけど、


「国際関係」ってなんだろう?


現在、地球人が抱える問題はたくさん。


戦争、気候温暖化、食料、水、エネルギー、健康安全などなど、


それらの本質は、「命」にかかわること。


ひとの”いのち”。


だから、人について学ぶ必要がある。


外国語を使う能力ではないんだ。

(AIがもっと進歩したら、今のように外国語勉強しないでいいかも)


国際関係学部、国際教養学部など、


国際を冠する学部は多かれど、


人について学ぶカリキュラムがある大学はあるのだろうか。


「教養」なんて言葉でごまかしているのでは。。。



今日、8/15は、日本がアジア・太平洋戦争に負けた日。

(終戦ではなく敗戦)


日本人だけでなく多くの人が亡くなり、傷ついた。


この時期、戦争に関する昔の出来事を検証、説明するTV番組多い。


これらは、すべて過去のこと。特に若者には。


未来に同じことを起こさないために、何をすべきか。


そのための人材を育成するのが、「国際関係学部」なのでは。


その人材にこそ必要なのは、教養(リベラルアーツ)。


ある辞書に記された


liberal arts:subjects of study that develop students' general knowledge and ability to think, rather than their technical skills


これは、昔から私が抱いている教養の定義。


特に、”rather than their technical skills”の部分が好きだ。


大学に行ったら、専門科目だけでなく、このliberal artsを学んでください。


国語が得意な君に、次の短歌を詠んで欲しい。


1973年8月15日の朝日新聞 天声人語に掲載された短歌。


戦争で息子や夫を失った女性が詠んだ短歌。


「わが生のあらむ限りの幻や 送りし旗の前を征きし子」


「貧しさの中に育てて成人せり 戦死せし子よ今日の食足る」


「特攻隊に乗らむとかの日聞きしゆえ 積乱雲はかなしかりけり」


「この汀(みぎわ)夫のねむれる海の果て 還らぬ息吹きを求め手を触る」


「戦死せる夫を詠みつぐ執ふかき 吾をあるとき不意と疎みぬ」


「恋いに恋いて心阿修羅となれる日は 遺影も遺品も棄てなんと思う」


「征きし子のまぼろし消えず老い痩せて 夕星鍬にすくい畔塗る」


こういう短歌を詠み解く能力こそ教養(liberal arts)。


それを基に戦争、国際関係を考察できる。


高校生、大学生は、「何者でもない」自由な時期。


なりたい自分を目指して、


いろんな本を読み、


いろんな国を旅し、


いろんな人に逢ってください。


過去76年間同様、


戦争しない日本を創ってください。


私の余命は約20年なので、


あとは任せたよ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感