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「就学援助4年で4割増」、日本は貧困国なのか?! [世直し]

1月3日の朝日新聞一面の記事から、

「就学援助4年で4割増」

 公立の中学校で、文房具代や給食費、修学旅行費などの援助を受ける児童・生徒の数が増加しているとのこと。就学援助率は、全国平均で12.8%、 東京24.8%、大阪27.9%。(最低は静岡の4.1%)東京都足立区では42.5%にも達したとのこと。

援助率が70%に達した小学校では、授業の際、教員が鉛筆の束と白紙の紙をもって教室へ向かうという。6年生に卒業文集で「将来の夢」を書かせるも、1/3の児童が何も書けなかった。

こちらは昨年の中国新聞から。。。 


義務教育すらまともに受けることが出来ず、文字が書けず、その結果、「自分の夢を日本語で書けない子供がいる」。

となると、ラブレターだって書けないのです。

これって、悲しくなりませんか?

ここは日本ですよ。戦争に明け暮れる貧しい発展途上国ではない。

子供は親を選べません。

一方で、英会話、スイミング、塾等そしてお盆、年末年始の海外旅行にたくさんお金をかけることが出来る家庭もある。

就学援助を受けている子供たちは、社会をどう見ながら育つんでしょうか?

これを「希望格差社会」、「勝ち組、負け組」に原因を求めたくない。そんな単純では無いでしょう。

日本の社会の仕組や日本人の生き方が確実におかしくなっているのです。

 私は、義務教育で下記のような日本国憲法第14条、26条を学び、信じていました。そして、親には金はなけれど、努力していけば道は開かれると思い、勉強しました。幸い、私が生きてきた時代ではそれは可能でした。でも、本日の新聞を見ると、もしかつての私が、今を生きなければならないなら、努力・挑戦する勇気を持てないかもしれません。

第十四条【法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界】
 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受けるものの一代に限り、その効力を有する。
 
第二十六条【教育を受ける権利、教育の義務、義務教育の無償】
 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

民主党の前原代表は本件をどのように思うのでしょうか?

母子家庭で育った彼は、こういう問題に対して敏感なはずです。また、解決すべき責任がある。

一方、小泉総理の念頭所感:「日本社会には、ようやく新しい時代に挑戦する意欲と自信が芽生えてきた。改革を止めるなという国民の声を真剣に受け止め、続行していきたい」。

小泉総理は、挑戦したくても、その能力さえ身につける機会に恵まれない人々の存在を実感できるでしょうか?先の選挙で有名になった、育ちは良いし、職歴に恵まれてきた「刺客」の方々も同様。


参考エンタメ

「ある子供」

 

http://www.bitters.co.jp/kodomo/index.html

昨年11月クローズアップ現代でも取り上げられました。

今年のカンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞したベルギーの映画監督・ダルデンヌ兄弟。失業から抜け出そうともがく少女の格闘を描いた「ロゼッタ」。息子を殺された父親と加害少年との予期せぬ出会いと葛藤を描いた「息子のまなざし」。一貫して社会の底辺に生きる若者を描き高い評価を得てきた。「ロゼッタ」に続き2度目のパルムドールに輝いた新作「ある子供」はいわゆるニート青年の虚無と成長を描き、「若者と仕事」という兄弟の最大のモチーフを深めた作品。「仕事を抜きにして人間は社会とのつながりを構築し得ない」と言い、それを大人が子供に伝えることの難しさと大切さを伝えたいというダルデンヌ兄弟。来日の機会を捉え、そのメッセージをキャスターインタビューで聞く。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2005/0511-4.html


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Kimball

なにか、「不気味な足音」が聞こえてくるようです。こ、こわ:-)
(と余裕かましているときではないような気が)

いつもながら、この世間しらずオヤジには貴重な情報でした。
ありがとうございます。

ダルデンヌ兄弟もここで教えてもらえなかったら一生出会えなかったかも
しれません。ありがとうございました。
-------
大きなお世話ですが、こちらのドイツ映画(スカパーTV)もよさそうです。
「ビヨンド・サイレンス」 by 降龍十八掌(こうりゅうじゅうはっしょう)さんBLOG
http://blog.so-net.ne.jp/kouryuu/2006-01-06
by Kimball (2006-01-07 12:38) 

yukky_love_turtle

私も今思えばどちらかというと、ぎりぎり最低ラインの生活の中で小・中と過ごし、高校も良く行けたなぁみたいな、はっきりいって貧困生活でした。 だから、早く就職してみたいなものだったんですね。 今は標準以上の生活が出来ていますから、こういう記事を見ると悲しい思い出がどんどん蘇って来ます。
by yukky_love_turtle (2006-01-07 17:46) 

早稲田大学鋳物研究所スキー部長

Kimball様
この国には新たな課題が出てきました。課題を解決するために、”動く勇気”を持ち続けたいです。降龍十八掌さんのブログはよく拝見しています。ありがとうございます。

かめきち様
おっしゃるように、私もこの朝日新聞の記事を読んで涙がでてきました。
by 早稲田大学鋳物研究所スキー部長 (2006-01-09 12:14) 

福原です

こちらの記事トラバさせていただきました。
問題がありましたらコメントに残していただければ削除します。
by 福原です (2006-03-15 23:07) 

早稲田大学鋳物研究所スキー部長

福原様
TBありがとうございます。
by 早稲田大学鋳物研究所スキー部長 (2006-03-16 19:35) 

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