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2023新年社長挨拶 お客様のためのANA、 自社のためのJAL。 [プレゼンポリス]

2023 新年の社長挨拶。


ANAとJALを比較してみましょう。

(文中色付けは筆者)


まずは、ANA
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今年もお客様とともに

 新年おめでとうございます。

 皆さまにとって本年が素晴らしい一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。

 この数年、航空業界は未曾有の厳しい環境下にあり、皆さまから多くの支えをいただきながら、業績回復へ向けて努力を重ねてまいりました。お蔭様でようやく昨年から日本でも人の往来が活発になり「やっと夜が明けてきた」と希望の光を感じる新年を迎えることができました。年頭にあたり、応援をいただいた皆さまに感謝申し上げます。今年はさらによい年となるよう、お客様に笑顔を、日本に元気をお届けするため、安全運航を第一に臨む決意を新たにしております。

 さて、昨年末に勇気づけられる嬉しいニュースをいただきました。ANAは、英国の航空会社や空港会社などの格付け機関であるSKYTRAX社より世界最高評価「5スター」を獲得いたしました。本邦初、10年連続の栄誉ある受賞です。この10年間、事業環境が大きく変わる中でも、世界中のお客様に喜ばれるサービスの提供に向けて強い思いで取り組んでまいりました。今回の受賞はお客様ANAの姿勢を評価いただいた結果であり、社員一同大変嬉しく感じております。改めまして、皆さまに深く御礼申し上げます。

 さらに、ANAは同社からBest Airline Staff Service in Asiaなど3つのサービス部門賞もいただきました。例えていえば「団体戦の金メダル」と「種目別の金メダル」を3ついただいたようなものです。当社の人的サービスに高い評価をいただき続けていることは、サービス業に従事するものとして、心より嬉しく感じております。

 航空業界では、機材やシート等、ハード面のサービスは、時間が経てばすぐに追いつかれたり、追い抜かれたりと、他社に対して決定的優位に立つ要因にはなりづらいものです。一方ANAらしい「あんしん、あったか、あかるく元気!」なホスピタリティは、長い期間をかけて紡ぎ上げてきた企業文化を社員が実現していくもので、他社が簡単に真似できない絶対価値といえます。そんな私たちにとって、この受賞は大変価値があるものとして受け止めています。

 昨年12月にANAは70周年を迎えました。創業から30年目、50年目と、時代の変遷とともに、私たちが暮らす社会の環境は大きく変わり、エアライングループへ求められるものも変わってまいりました。その中でも私たちが大切にしてきた想いがあります。「信はたて糸、愛はよこ糸、織り成せ人の世を美しく」これは2代目社長の岡崎嘉平太が残した言葉です。確固たる信念を持ちながら、お客様や仲間に対し愛を持ち、信頼や調和を基盤とした美しい世の中を作っていく。10年連続の受賞におごることなく、自分たちのサービスを謙虚に振り返り、「社会に必要とされるグループ」を目指してまいります。そして次の10年への第一歩となる今年もまた、一人ひとりのお客様の想いに寄り添うことでご期待にお応えしていきたいと思います。

 皆さまのこの一年に、ANAが「明るく楽しい」思い出のページを多く刻むお手伝いができるよう、社員一同力を尽くしてまいります。今年も青い翼をどうぞよろしくお願いいたします。

全日本空輸株式会社
代表取締役社長 井上 慎一

そして、JAL
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新たな年を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。

昨年は、コロナ禍の長期化や不安定な世界情勢により、航空業界は引き続き厳しい経営環境に置かれました。一方で、入国制限の緩和や、国内においては全国旅行支援などの需要喚起策がとられ、航空業界にもようやく明るい兆しが見えはじめた一年となりました。これまで温かく見守り支えてくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。

JALグループは、2021-2025年度 中期経営計画に則り、安全・安心な社会とサステナブルな未来を創る決意を込めた「JAL Vision2030」の実現に向け前進してまいりました。目下の経営課題は、足許の収支の安定化、中期的な事業構想改革の推進による強固な財務基盤の再構築、そしてESGを軸とした長期的な企業価値向上の実現です。
コロナ禍における社会変化の中で、サステナブルな社会への関心は一層高まっています。これまでに培ってきたゆるぎない安全文化とJALフィロソフィという共通の価値観をESGに収斂させ、事業を通じて社会課題を解決することで、サステナブルな人流・商流・物流を創出するという、新たな価値創造の歩みを着実に進めてまいります。

今年は、コロナ禍という未曾有の危機により、一度は失われた価値あるものをもう一度取り戻す、「回復」と「復活」の一年にしたいと考えております。私たちを応援してくださる、お客さま、株主さま、地域社会の皆さまのご期待にしっかりとお応えし、日頃からのご愛顧に改めて感謝いたしますとともに、社会インフラとしての使命を果たし、「世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループ」を目指して全社員一丸となって取り組んでまいります。

最後になりますが、本年はこれまで以上にJALグループの翼をご利用いただき、多くの人々やさまざまな物が自由に行き交う、心はずむ年となることを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

            2023年 元旦
            日本航空株式会社
            代表取締役社長 赤坂祐二

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両社の挨拶文の印象は、
ANAは、あんしん、あったか、あかるい印象。読みやすい文。「ANAは、ANAが~する」と明確。
  
JALは、硬く、カタカナ語、一文が長く主語と述語が不明確、株主総会の業績報告書。読む気なくす役人答弁書。ESGって何だよ!近所のおばさん知らないよ。
 
種々な視点で比較すると、
 
①お客様
ANAでは「お客様」が4回、
 
JALでは「お客さま」が1回使われているだけ、しかも最後の方で。
 
②安全
ANAでは、「安全運航を第一に臨む決意」といい、
 
JALでは、「これまで培ってきた安全文化」と言うけど、安全”運航”とは言わず、安全運航に対する決意を言わない。
 
③昨年の企業実績
ANAは、「5スター」、「Best Staff Service in Asia」など人的サービスの格付け機関による評価結果を報告、自社のソフト面のホスピタリティーを説明、
 
JALは、中期経営計画を通じた企業価値向上の説明に終始している。自社の業績のために乗客がいるみたい。
 
④社員への言及
ANAは、
”サービス業に従事するもの”、
 
”自社のホスピタリティーは、長い期間をかけて紡ぎ上げてきた企業文化を社員が実現、他社が簡単に真似できない絶対価値”、
 
”社員が大切にしてきた想い「信はたて糸、愛はよこ糸、織り成せ人の世を美しく」を持ち、お客様や仲間に対して愛をもつ”
 
JALは、言及なし。
 
⑤結び
ANAは、「ANA=青い翼」が乗客の明るい楽しい思い出のページを多く刻むため社員一同尽力する。と、顧客を意識。
 
JALは、最後になりますが・・・新年の挨拶とさせていただきます。と、紋切り型。
 
  
  
ANAの文章は、ストーリー構築と文章の推敲を重ねた結果でしょうが、
 
JALは、そんなことはやってないでしょうね。読み手(顧客)や仲間に思いを馳せることもなく書いた文章。ひょっとしたら、”誰も読まない”と思い違いしてるのでは?
  
こういう挨拶文やプレゼンの準備には、まだ見ぬ読み手や聴衆に思いを馳せて、彼らをどう動かすかの意識が必要。地味で地道で試行錯誤の繰り返し。JALはやらなかった。
  
両社とも社長は事前に目を通したのだろうか?
 
その眼力が経営に繋がるでしょう。
 
だって、一人の人間(私)が今年もANAを選ぶから。。。
   
両社ともに今年も安全運航を!

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